価値があるから、価格が高いわけではない。- 「電子書籍は紙の本より安いべきである」は本当なのか?を読んで思うこと

はいはいー、@nobkzです。

技術ブログを書いてましたが、たぶんそれはQiitaに移行して、ここではつまらんことをぐだぐだ言うこととなるかなとか思ってます。

「価値」と「価格」

twitterを眺めるとこんな記事が流れてきますた。

http://azanaerunawano5to4.hatenablog.com/entry/2014/01/29/153721

「新しい視点だな」、と思いながらなんというか、違和感を感じました。それは適正価格と適切な価格の違いについてです。

まぁ一言で言っちゃえばですね。
「価値があるから、価格が高いわけではない。」
ってことなんですよね。多分、一言で十分でしょう。分った人はこっから先は読む必要はないです(笑)

コストが安いと「価格」を安くすることができる。

電子書籍は紙の書籍と比較すると、生産コストや流通のコストが抑えられるってことは自明であるかと思います。紙であれば、印刷用紙があり、印刷し、それで運搬し、書籍で販売しないといけませんが、電子書籍はそれが全く必要がありません。

とすると、電子書籍は「安くすることができる」というわけです。「安くすることができる」というわけですから、価格競争が置き、安くなるのは必然かと思います。

価値は主観的なもの

先のブログ(http://azanaerunawano5to4.hatenablog.com/entry/2014/01/29/153721)

「紙であること電子書籍より価値がある」

とありますが、 そもそも、価値が価格をそのまま表わしている、決定しているわけではなく、あくまでも価格決定の一因でしかない ということだと思います。

そもそも、「価値」というのは主観的なものであり、見方によってまったく様相が異ってきます。

先のブログでは、「便利さ、効率性」があるから電子書籍の方がサービスとして価値があるという解釈をしていますが、それは一面でしかないと思います。

極論ですが、たとえば、美術品の紙の絵画と電子データの絵画とでは、紙の絵画の方が不便だから、電子データの方が高くあるべき。との見方と同様なものを感じます。(もちろん、紙の絵画の方が希少性があるので、高いってのがありますし、印刷物である本と純粋に比較するのはちょっとおかしいですが)

そうじゃなくても、紙の書籍というのは、「紙」である魅力も存在します。紙としての質感を感じること、物体としてパラパラ見ること、書き込めること、 (とてもくだらないことですが)燃やせること、厚ければ、まくらや、撲殺の道具(鈍器)としてつかえること(笑)。

また、電子書籍は、そもそも読む為のプラットフォーム、デバイスが無いといけないですし、電池が切れたら、おしまいです。

そういう視点もあり、「価値」はその見方に依存します。

「価値」と「価格」の区別

先のブログが問題なのは、価格と価値を混合していることです。「価格が安くあるべき」というのは、「電子書籍は価値が無い」と言っているわけではないのです。「電子書籍の方が売るのは本と比べて大変ではないから安くしろよ」というのは不当な要求ではないと思います。

価格と価値は区別すべきで、「価格が安いが価値はある」というのは成り立ちます。「安いがうまい!」やら、「コストパフォーマンスが高い」やらってのは、そういうことだと思います。

僕の良く技術書を電子書籍で買ってますし、電子書籍は便利です。ですが、「安くなる余地があるのに安くならない」ってのは、市場の不健全さを感じますし、そこに関して「安くなるべき」というのはなんら不自然じゃないことだと思います。

付け加えると、先のブログで、電子書籍はサービスとして本より素晴らしいものなので価値があるというのは同意見です。ただ、価格は「需要が上がる」ということに対してのファクターなどが大きいので、その「価値」が反映されるわけではないということです。